Eleven days
第4章 「世界が変わる時」
そして次の日の朝、小川はいつも通り松口を迎えに行った。







しかし松口を迎えに行く小川の顔に、元気さが感じられない。






小川は松口が昨日の一件でショックを引きずって、今日休むかと思ったほどだ。








「あっ、小川来てたの、悪い待たせて。」





なんともなかったかのように、松口は普段通りの坊主頭、普段通りの制服姿、




そして何よりも、本当に普段通りの表情で家から出てきた。






「ん゛っ、あぁそんな待ってないよ。」





小川は普段通りの松口に逆に驚いたのか、松口の口癖の「ん゛っ」を言ってしまった。







「早く行かないと、遅刻するって!!」





いつもなら小川がせかす方なのに、なぜか松口がせかしている。






小川はいつもと違う松口に何かおかしいと、違和感をおぼえていた。





「わかった、わかった、今行くから。」




小川は困惑しながらも平常心を保っていた。
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