(禁断)瞳を閉じて。【完】
初キスが……実のお兄ちゃん…。

これは、許される・許されないの問題ではない。

…もう、どうするの…。

明日、まともに顔を見る自信なんてない。

明日だけじゃなく、明後日も明明後日も…。

この唇の温もりがなくなるまで、無理だよ――…。

私は寝てるであろう遥にメールをし、≪朝、遥ん家に行くから泊めて!≫と送った。

遥は一人暮らしだし、私は遠慮なく行ける。

空兄が隣の部屋に居ると思っただけで、私の胸が壊れそうなんだ。

…早く朝になれ…。

そんな願いも虚しく、私は長い長い、夜明けを待った。



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