新撰組の姫君 〜もしもの世界・斎藤一編〜
いや、でも…話をしているときには居なかったし…

もしかして私疑われてる…?

「あ、ちゃうで?奏を疑っとるんとちゃうよ。奏の家は2回襲われとるさかい、奏がまた襲われるかもしれへんで、一応護衛やで。まぁ、俺なんかより斎藤とかの方が頼りになると思うけどな。」

話が長い。

「そうですか。」

「さて、話は置いといて。片付けしなアカンな。道具取ってくるついでに誰か捕まえて手伝わせよ。うん。」

おとなしくまっとってな。と付け加えて山崎さんは行ってしまった。

「護衛なのに…離れちゃっていいのかな?」

「…俺がいるからな。」

「あ、一君。おかえりなさい。」

いつの間にか帰ってきていたようだ。

「…山崎が道具を持ってきてくれるまで待つか。」

そう言って腰を下ろした一君。

「戻ったでぇ」

「はやっ!?」

早いにも程があるでしょう。

「いや、そこに平助たちおったからなぁ、原田に道具頼んだんよ。」

「左之さんはのせられやすいもんな~」

「聞けよ奏。左之のやつ、平助と俺が力持ちってちょっとお伊達ただけで道具取りに行ったんだぜ。」

平ちゃんと新ちゃんが楽しそうに話してくれる。

「左之君…らしいね。」

思わず笑ってしまう。

「最後に俺が、じゃ原田道具よろしゅうな!っていったら、めっちゃイイ笑顔でおう!って言ったあとに乗せられたぁ!って叫んでたんやで。」

「気がついたんですね。」

面白い人達だ。



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