新撰組の姫君 〜もしもの世界・斎藤一編〜

女足るもの、多少の強さは必要です。

「よっしゃ〜、稽古するぞ!!」

食事が終わった途端に叫ぶ平ちゃん。

「…俺は巡察の準備をしてくる。奏、稽古頑張れよ。」

一君が声をかけてくれる。

「はいっ!!」

私の返事を聞いた一君はほんの少しだけ、微笑んで行ってしまった。

「よ〜し。まずは奏の胴着を手に入れるところからだな〜。俺の着れたら良いんだけどなぁ?」

私の全長を見て考える平ちゃん。

…私の大きさに合う胴着何て屯所内に有るのだろうか?

「あっ…十六夜が家からなんか持って来たって言ってたな。聞きに行くか。」

「あ、兄様って巡察じゃ…」

「おぉ〜まずい、急いで聞きに行こう。」

そう言うが否や平ちゃんは立ち上がり、私を立ち上がらせながら走り出した。
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