スノードロップ
「一ノ瀬さん、少々よろしいですか…」
ようやく仕事も終わりかけた時末吉さんに呼び止められた
「はい…」
使用人用の休憩室まできて末吉さん言った
「司様からの伝言を頼まれました。“12時に裏庭の薔薇園へお越しください”との事です…」
「は…はい。」
聞いてはいたけど改めて
末吉さんに司様からの伝言を伝えられドキッとする
末吉さんはいつも通り無表情で私を見ている
「…一ノ瀬さん。」
「は…はい、」
「どうか司様をよろしく頼みます…。」
律儀に私にお辞儀をした
「…末吉さん…あの…」
「あなたは司様が選ばれた方です。私は一切あなたを疑ったりはしません…これからもあなた方の助けになりたいと思っております」
「……でも」
後ろめたい気持ちで何も言えなくなった
皆に秘密にして…
誰にも何も言えない
「司様は…この先きっと久光様以上にご苦労をなされるでしょう。その時必要なのです隣で彼を支えていられる人間が…」