スノードロップ
「司さん」
「…何?」
「…、いえ……」
何を聞いてもただの詮索できっと彼にとって迷惑にしかならない
なら聞かないほうがいいのだ
これ以上悲しい顔を見たくない
「…紅々、」
踊るのをやめ司さんは言った
「はい…」
「肩をかして、何も見ないふりをしててくれないか?」
「…は、はい。どうぞ…」
肩をかす…?
司さんはふっとわたしの肩に顔をうずめた
両手はゆるくわたしを抱きしめたまま
「……」
「…大丈夫ですか、」
「うん…。」
それっきりなにも言わなかった
わたしは司さんの髪をゆっくり撫でた
ただ優しくしたくなった
好きとかそういう気持ちを抜きにして
ただただ
愛しかった
「大丈夫…だよ」
司さんは呟いて少しだけ微笑んだ