いつか、きっと。




その流れに身を任せれば、歩けるようになるのかな?





「ねぇ、いつ行くの?」



「…夏休み」



『具体的に何も決めないのは、相変わらずなんだね』





でも、私はそうじゃなくて。



自分の中で、自分の心で歩けるようになりたい。



どれだけ時間がかかっても、時間に流されたりしたくない。



だって、落としちゃうかもしれないでしょ?



大切なものを。





「…っあ!サク、授業始まっちゃうよ!」



「は?んなのどうでもいいだろ」



「よくないよ…!」





だから私は、全部しっかりと抱え切って歩くんだ。



ひとつも落とさないように、たまに後ろを振り返って。





『―――行こうか、皐月』








今、やっと。



止まっていた時間が



動き始めた―――。









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