天神学園高等部の奇怪な面々
「それにしても」

アリスカが人間の姿になったシーの方を見る。

「見れば見るほど普通の人間ね…とてもあの黒猫と同一人物とは思えないわ…天神学園は、どうしてシーのような猫を生徒として招き入れたの？」

「この学園の下平（しもひら）学園長って人が変わっていてね」

月がアリスカの質問に答える。

「優れた素質や才能を持ちながら教育の機会を与えられないのは不公平な事だって、自ら世界中を回って、学校に通えないような者を学園に引き取っているの。優れた才能や素質を持っていれば、学園長は素性が何であれ構わないみたいで…」

妙に納得してしまうアリスカ。

成程。

（平凡なように見えるこの天神学園に、変わり者が多く存在するのはその為なのね…）

そんな事を思って。

「あら、アリスカさん」

月がコロコロと笑う。

その笑みにはいささか黒いものが感じられる。

「その『変わり者』っていうのに、私も含まれているのかしら…？」

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