天神学園高等部の奇怪な面々
その光景を偶然目撃したのが啓太だった。

いてもたってもいられない。

「おい、啓太?」

アスラの呼びかけも無視して、彼は教室を走り出る!

生徒達でごった返す昼休みの廊下。

前に進む事も儘ならない。

ましてやここから屋上までは、啓太の足では5分はかかる。

早くしないと、アリスカが転落してしまう…!

(あまり学園内では使いたくなかったけど…非常事態だ)

啓太は軽く目を閉じて。

「リコさん、力を貸してください」

誰にともなく呟く。

次に目を開けた瞬間。

「任せて、啓太」

彼は快活で正義感に溢れる『彼女』と入れ替わっていた。

彼女…リコと呼ばれた人格は、その場でしゃがみ込む。

この緊急事態に何をやっているのか。

それは、陸上経験者が見ればすぐに気づいた筈だ。

「位置について、よーい…」

それは、陸上短距離のクラウチングスタート!

「どんっっっ!!」

リコは誰もが目を見張るようなロケットスタートで、廊下を走り抜けた!

< 55 / 135 >

この作品をシェア

pagetop