天神学園高等部の奇怪な面々
一頻り話し終え、アリスカ達は下校の準備を始める。

「帰ろうよ、アリスカさん」

鞄片手に啓太が声をかける。

「あ、う、うん」

バイオリンケースを手に取り、コクコク頷くアリスカ。

先日の一件で彼を意識してしまって以来、どこかぎこちない感じのアリスカだ。

「月達と一緒に先に行ってて、私も後で行くから」

啓太達を先に行かせ、アリスカも後を追う。

(全く…一般人の男の子相手に何をうろたえているんだか)

自分ではクールな女エージェントだと思っていたのに、最近はすっかり只の女子高生になりつつある。

クラスメイトにときめくなんて、私何やってるんだか。

自分の心境の変化に困惑しつつ、足早に廊下を進むアリスカは。

「?」

校舎の一角で、アスラの姿を見とめた。

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