同居の秘密。【完】


「あ、翔君、雪だよ」


千春は静かに呟く。


俺は、千春が見てる方の窓を見ると、雪が、粉雪のような宝石が上から降ってるように見えた。


寝室の大きな窓から見える景色は絶景だ。



千春は俺に背を向け、上から降る雪をジッと見ている。



…雪なんか見て、何が楽しいんだ?


なんて思っていると、千春は小さな声で呟いた。



「…昨日ね、医者が来たの」



「……?」


一瞬、何のことだかわからなかったが、直ぐに気付いた。


あの契約ノートに書いてたヤツだ。


 
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