同居の秘密。【完】
「絶対に無理」
男の人は無表情でおじさんに言う。
「お前に拒否権はない。しきたりはきちんと守れ。もちろん、千春さん、貴女も」
「えぇ!?」
いきなり振られてビックリする。
てゆうか…
「無理です!いきなり子どもを産めとか。なんで私なんですか!」
本音だった。
なんで私なんだろうか。
もっと可愛くて頭が良くてお金持ちの人なんて沢山居るのに。何故私?
「君にした理由は、性格、血液型、生活環境、全て理想だったからだ」
おじさんは腕を組ながら私に言う。
…いやいや、理想って私、平凡過ぎでしょ。
こんな世界が違う人から見たら平凡過ぎて目に付かないはずじゃあ…。
ポカンとしてる私におじさんは言い放った。
「結婚はしなくていい。…だが、孫を産んでくれ」