短編集♯恋燦々
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ある日の帰り道。
「わたし‥好きなんだよ?」
いつものように、こいつが俺に言う。
だが表情はいつもより数段暗い。
おかしいとは思いつつ、俺はいつものように返事をする。
「あっそ。俺は嫌いだけど。」
「‥‥‥‥‥。」
‥?
いつもなら、ここでが「わたしは好きだからねっ!」と言うのに、と見下ろす。
??!!
「お前っ‥‥、何泣いて‥‥‥?!」
泣いていた。
いつも笑っている奴なのに。