短編集♯恋燦々


俺は、抱き締めた。

目の前のこいつを。

「どうしてぇ‥‥っ?嫌いなのに‥わたし、ずっと「ごめん!!!」


「ごめん‥‥‥。」

言葉を遮って、謝る。

「俺、お前のこと好きだよ。すげえ好き。ずっと前から、好きだった。」


恥ずかしいとか言ってられない。

こいつが離れていく位なら、


「でもぉ‥‥嫌いって‥‥。」


「恥ずかしかったんだ。ほんとバカだよな、俺。」


そこまで言ってこいつをはなす。

「‥‥‥っ、」


涙でぐしゃぐしゃの顔で俺を見上げる。

「‥‥ほんとバカ‥‥。」

ぐしゃぐしゃの顔に俺の大好きな笑顔を浮かべて、嬉しそうに笑うこいつ。



< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop