短編集♯恋燦々
俺は、抱き締めた。
目の前のこいつを。
「どうしてぇ‥‥っ?嫌いなのに‥わたし、ずっと「ごめん!!!」
「ごめん‥‥‥。」
言葉を遮って、謝る。
「俺、お前のこと好きだよ。すげえ好き。ずっと前から、好きだった。」
恥ずかしいとか言ってられない。
こいつが離れていく位なら、
「でもぉ‥‥嫌いって‥‥。」
「恥ずかしかったんだ。ほんとバカだよな、俺。」
そこまで言ってこいつをはなす。
「‥‥‥っ、」
涙でぐしゃぐしゃの顔で俺を見上げる。
「‥‥ほんとバカ‥‥。」
ぐしゃぐしゃの顔に俺の大好きな笑顔を浮かべて、嬉しそうに笑うこいつ。