15歳のラビリンス


え、違うの…?



「仁哉は会う事は拒否しなかったよ。納得できない言い分はわかるって言ってたから。…だけど、どんな事を言われても美織のそばにはもういられないって。できれば泣き顔を見たくないから会いたくないって…」


「…」


「そんな事まで言われたら、私は美織にさらに悲しい想いをして欲しくない。だから、もう仁哉の事は…忘れよう…?」



私がここで絶対にジンと会うと言えば、カンナはきっと繋いでくれるだろう。


だけど、それをやれば自分の気持ちばっかりで、ジンやカンナの気持ちを無視する事になる。



直接会って話す事しか、気持ちに区切りをつける方法がないわけじゃない。


もうすでに、ジンの気持ちは決まってる。



後は私が引きずるか引きずらないかを決めるしかないんだ…。


< 140 / 338 >

この作品をシェア

pagetop