15歳のラビリンス
タイミングよくチャイムが鳴って、私とカンナは一緒に教室へ戻った。
ホッとしたような…でも微妙に不安が残ったような…。
「…私、余計な事言ったかな?」
「ううん。知らなかったら余計に考えちゃったかも…」
「大丈夫だよ~。仁哉は浮気できるほど器用じゃないから」
カンナはそう言って私の背中をたたいた。
彼女に言われると大丈夫な気がしてくる。
「そうだね…」
うなずいて、私は自分の席へ着いた。
机の中から教科書とノートを出したところで先生が来た。