遠距離恋愛
遠距離恋愛

「え…明日ダメになった…?どうして?」

電話の向こうから聞こえてきた答えは社会人には至極あたりまえな答え。

『急な仕事が入った。ホントにごめんっ!』

そう言って謝られたら、嫌でも、本当は逢いたかった、その言葉は飲み込むことになる。




あたしは普通の大学生。

恋人は今売れっ子のモデルのHAL。
由来は名前が悠(はるか)だから。

幼馴染の私たちは付き合ってもうすぐ3年になる。
あたしはずっと好きだったけど、高校に入る少し前からモデルを始めたハルは近くにいる私にだって分かるほどどんどん格好良くなった。

だから、私は素直に告白なんて出来なかった。
でも、そんな考えでいっぱいだった私にハルは告白してくれた。

告白されたときは泣いちゃうくらい嬉しくて、両想いってだけで、十分すぎるくらい嬉しかった。

付き合い始めは、まだハルがそこまで売れていなかったことも幸いしてか、土日は普通に遊ぶことが出来た。
でも、それも私が大学生になる年くらいまでだったけど。
ハルは、東京で一人暮らしを始めた。

芸能人のハルと大学生のあたしでは生活リズムがだいぶ違った。
モデルを始めたときは、雑誌やポスターに出ているハルを見るのが自分の事みたいに嬉しかった。

今だってそれは変わらない。
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