君は俺のターゲット(2)
「?!・・・騙したのね。」



舞里から俺に視線を移した彼女の顔は、般若のように恐ろしいことになっていた。



「麗しいレディ、お顔が台無しですよ。

あなたがあまりにも頑なに心を開かないので、ちょっと悪戯してしまいました。」


舞里を見ると、呆れていた。



やっぱり、俺には刑事なんて似合わない。



怪盗をして、舞里に追い掛けられる夜を過ごすことの方が、よっぽど性に合っている。



普段は言えないこんなクサイ台詞を、ゴーストの時には舞里にも言える。



他の女性に対しては、何も思わず頭に出てきた言葉を言っているだけだが、舞里の時は、ある意味本心だ。



『麗しき姫』


『星空のような輝かしい瞳』




数え上げたらきりがない。



でも、それだけ俺は舞里を思ってる。



愛してる。



だから、失う訳にはいかない。




「どいつもこいつも、あたしをはめたり騙したり・・・二人ともここで殺してあげるわ。


まずはあなたからよ!!」



そう言うと、彼女は舞里に向かって走っていった。




















「やめろ!!!」
















< 19 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop