君は俺のターゲット(2)
「冬路を一人残して、逝きたくないって思った。まだまだ一緒にやりたいこと、伝えたいこともたくさんあるんだから。」



そう言って笑う舞里に、俺は目頭が熱くなった。



「・・・そんなこと言うなよ。」


「え?」


「何も与えられてないわけじゃないよ。

お前が、一生懸命に仕事を頑張ろうとするから、俺も頑張ろうと思える。

舞里の死は覚悟してるつもりだよ。刑事だもんな。

だけど・・・・・・」



あぁ・・・ヤバイ。



今日のような恐怖がこれからも続くのかと思うと、俺は涙があふれ出そうだった。



「冬路・・・・・・」



そんな俺を、そっと抱き締めてくれた舞里。



俺も立ち上がり、舞里の背中を引き寄せ腕の中にしっかりおさめる。



そして、震える声で言った。



「怖かったよ。正直。覚悟をしているつもりでも、舞里を失ったらと考えただけで、足元から崩れ落ちる感覚が来たよ。

だけどさ、やっぱり俺が好きなのは、刑事として犯人を一生懸命追っている姿なんだよな。」


「うん・・・」



二人でいる時の舞里も、可愛くて、守りたくなるような普通の女の子。



だけど・・・・・・








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