永久の贄[BL]
「それにしても、彩十さんはよく眠りますね……」

「安心しろ。まだ死んでいない」


死んでいたらもうオレ達だってこの世には存在しないから。

すると雪は“そこまで聞いていません”と苦笑する。……雪も彩十が来てから少し変ったように見える。

こう言ったらいつもの雪なら“そうですか。それは良かったです”と、

オレに気遣うかのような言葉を発するから。

やめてほしいと否定なんてしたことなんてなかった。これも彩十のせいだろうか。

彩十は贄のくせして人……と言うよりかは人に近しいオレ達の心を変えて行くなんてすごい奴だ。

初めて出会った時から少しも変わってなんかいない。
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