永久の贄[BL]
理解の出来ていないオレに、雪は呆れたような口調で教えてくれた。

少し前の雪ならオレの前で呆れながら何か言う事もなかったのに。

彩十のせいか。やはり。いや、それよりもだ。


「雪、お前。首飾りはともかく花の事までは知らないだろう?」

「僕は狼ですよ? 海理様の話声は遠くからでもよく聞こえます」


笑いながら、改めてその小刀を差し出す雪。

本来なら彩十がいろいろと努力をしているから、

その褒美にと月花と相談して渡す事を決めた護身用の物だそうだ。

その小刀を今度はしっかりと受け取った。

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