永久の贄[BL]
半分本気でそんな事を言ってみれば、途中から一緒になって見ていた雪が傍にあった包丁を握り、

笑顔でこちらに投げようとしていた。

その笑顔は恐ろしく、本気で殺されると思った俺は必死で冗談を訴えた。

あの夜の出来事が起きた時は、死んだ方が良いと思ったのに状況が違うだけでこうも命が惜しくなるとは。不思議なものだ。


「……これでは到底海理様の元には差し出せませんね。まさかこれほどの実力しかないとは」

「軽く失望しました」


月花の視線が俺を丸で差別するような目つきだ。その目つきが妙に腹が立った。

だったら教えてもらおうじゃないか。海理が好きだという味噌汁の作り方を。

それを習得したら今度は俺がおかゆを作って、こいつらを驚かせてやろう。
< 44 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop