永久の贄[BL]
「言っただろう? 帰ったら寂しさ埋めてやると」


……しまった。雪と月花の手ほどきの厳しさですっかり忘れていた。

海理が帰ってきたら俺はこいつの相手をしなければならなかったんだと。

これから起こる事を考えると少し寒気がした。


「なあ、海理」

「何だ」

「まさかとは思うが、今からやろうなんて……」

「やってほしいのか?」


あれ、もしかして言ってはいけなかったのか? いやまさか。一気に寒気がした。

もうこれはやられるな。明日体が持てば良いが。

覚悟を決めて力強く目を閉じれば、海理はそっと口付けをしてくれた。

その後は何もしない。不思議になって目を開ければ、海理が言葉を再び発した。
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