私のドライな彼氏
しかし、普段はそんな甘いセリフを吐くことはない。



高校の頃と変わらず、素直になりきれないところももちろん健在なのだ。



「早く呼び捨てで慣れてくれよ」


「さんづけ期間が長かったんだから、難しいよ・・・」




昨日の夜突然、この名前の呼び捨てを指定してきたのだ。



未だにさんづけなのを鷹に呆れられたせいだということは秘密にして。



《俺たちは恋人だ。年上も年下も関係ない。言葉遣いも呼び方も変えることにしよう》



ところが、そんなすぐに変わるはずもなく、特訓と称して昨晩はいつも以上に長い甘い時間を過ごしたのだった。




寝起きのため、いつもは整っている髪型が少し乱れている昴は、密かに知香のお気に入りだ。



「顔に何かついてるか?」


「え?ううん。何も・・・」


「じゃぁあまり見ないでくれ」


「え?あ・・・うん・・・・・・」





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