私のドライな彼氏
よく副会長と行動をともにしていて、廊下ですれ違う女子軍団から黄色い声を浴びているが、一瞬も笑わないのだ。



声をかけることもあり得ない。



目を合わせることすらしない。



そんなドライな性格で、なぜ知香が彼を好きになったのか、そこには訳があった。



「先輩ね、動物や小さい子にはとても優しいの。」



以前、真里花と希和に話したことだ。



「前、家の近くの公園に妹とライムと遊びに行ったことがあったの。

それで、あたしが一回家に戻って、帰ってきた時に先輩が、妹とライムに何か話しをしていたんだけど

妹とライムがとても嬉しそうにしてたんだよね。」



その話しを聞いても、あまり想像がつかない二人だった。



だが知香は、彼のその見えない優しさにポッと心が温まり、更に好きになったのだ。



「でもまさか、告白返されるなんて夢にも思わなかったなぁ・・・」



昴のもとから帰ってきた知香に、希和は言った。



「でも、結果オーライということでいいんじゃない?」



フワフワの髪を弾ませながら、真里花は知香の手を取って笑った。



「二人ともありがとう!!あたしも信じられないの。」




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