すみれの花
案の定、中貴原はそう遠くに行ってはいなかった。
すみれがちょっと走っただけで、余裕に追いついた。
「バふっ」
すみれは中貴原の背中に勢いよく抱きついた。
…∑
驚いてこっちに顔を向ける中貴原。
「やり逃げなんて私、許さないから。」
私はそう言って、中貴原に
ちゅっと軽くキスをした。
「…なっなっな…」
途端に赤面する中貴原。
その顔が可愛らしくて
愛おしくて。
私は思わず笑顔になる。
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