すみれの花
「…今の…なに?」
私は笑いながら聞いた。
「ん?上書きってやつ?あの男のままだと気分悪いし?」
淡々と言う中貴原。
…でも、でも
照れてる!照れてる!
かわいいっ!
そしてまた唇が重なる─
舌なんか入ってきたりしない。
ただ包み込むだけの、優しいキス。
「…遠慮しなくていいのに…」
「遠慮なんかしてないよ。今はまだいいんだ。すみれのこと、ちゃんと大切にしたいから。」
…∑
中貴原がそんな事をいうので、あたしは思わず赤面してしまう。
「うわあ~すみれ、顔真っ赤~。か~わいいっ♪」
いつもなら中貴原に茶化されるなんて絶対絶対やだ!
でも今は……。
「もう反則だからっ!」
「はっ?」
「反則反則反則反則っ!」
私は思いっきり中貴原にアッカンベーをする。
「なんだと~!?」