hair salon 『K』

ははは、と笑いながら話している中川君


「あの…中川君…」

私は勇気を振り絞って話しかけた。


「も、桃川!!どうかした?」


「あの…ちょっと机いい?」


「あっ、うん!!」

中川君はイスから立ち上がって、机から離れる。


ありがとう、と言ってから机の中から今日の最後の授業で使った数学の教科書を出した。


パラパラとめくっていくと思った通り、消しゴムが挟まってる。


消しゴムを取ってから

「ごめん、もういいよ。ありがとう。」

中川君にそう告げて、教室から出た。

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