hair salon 『K』

「長い間接してきて、麻百合さんがそんなことする人だと思ったの?」


「いや、でも心配にはなるだろ」


「麻百合さんはそんなことしない。

…ただ、力量を計られたけど…


とにかく!!麻百合さんは今まで私と正々堂々勝負してきたの!!そんなこと今さらするわけないでしょ?」


「…そうだな。麻百合さんに悪いことしたなぁ…

ていうか茜。お前麻百合さんと何か勝負してたのか?」


「……知らない!!」


私はそっぽを向いて歩き出した。


「何だよ気になるなぁ…教えろよ」


「秘密!!」


私と涼太が言い合う声だけが、夜空に響いていた。

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