hair salon 『K』
「そうか?ならよし!!」


「何なんですかまったく……」


チラッと先輩の奥にいる石川さんを見ると、石川さんは顔を真っ赤にして、わなわな震えていた。


しかも私をにらんでるし…

「緑山…」


「えっ、あっ、はい!!」

慌てて先輩の方を向き直す。


「頼むからあのマネージャーと二人きりにしないでくれ。」

先輩は小声で言った。


「え…?」


「俺ダメなんだよ、ああいう甘ったるい声。」


「ああ……」


なるほど。

つまり可愛く見せようとしたけど逆効果だったってわけですね。


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