hair salon 『K』
「……今、私めちゃくちゃにらまれてますけど。」


「マジで?悪いな、なんか。」


「大丈夫です。」


「……俺、あいつはダメだけど緑山は全然大丈夫だな。

いや、声の問題だけじゃなくて、なんか落ち着くって言うか居心地がいいっていうか…」


「………」

何も言えなかった。


まさかそんな言葉が飛んでくるとは思ってなかったから。


………期待しちゃいますよ?


そんな気持ちは顔に出さないまま

「それは光栄です。じゃあ行きましょうか。」

と、私はスタートラインに向かって歩き出した。


部活は、そろそろ終わってしまう。


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