hair salon 『K』
「ちょっと遠いかな…」

先輩はそう言って、机三個分はあったであろう距離を机一個分にまで縮める。


「…あのさ」


「…はい」


心臓がうるさい。

走った後でもないのに……

「俺、考えたんだ。俺にとって緑山はどんな存在か…


俺にとって緑山は、大事な後輩。




…ずっとそう思ってた。」


「……え…?」


「違うんだ。

緑山は後輩ってだけじゃない。

緑山は喋ってたり、一緒にいたりしてると、居心地がいい特別な存在で…ずっと、どこかで気になってた。


…普通は部活の連絡はマネージャーがするのに、緑山にだけは、俺がずっとしてた。させてもらった。


それは…何でかようやくわかった。」


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