ベイビー or ダーリン
だが、一向に食べようとしないジル。



「ジル?食べないの?」


「ん〜・・・食べさせて?」



へ?



またまた首を傾げて甘えるジル。



だけど、5才くらいなら親からじゃなく、自分で食べるよね?



シャロルはちょっと考えてジルに言った。



「ジル。ジルはもう自分で食べられるでしょ?」


「え〜!僕はシャロルが食べさせてくれないんだったら食べたくない。」



頬を膨らませて、我儘を言うジル。



それを見て、思い出した。



そう言えば、青年の時のジルも、デザートを食べる時はいつもあたしが食べさせて上げると、とっても嬉しそうな顔してたなぁ。



あ、そうだ!



「ねぇ、ジル。ご飯自分で食べれたら、デザートは食べさせてあげるよ?」


「ホント?」



キラキラした瞳で見るジルに頷くと、ジルはスプーンを手にした。



「じゃぁ僕食べる!!」


「はい、どうぞ♪」




小さいジルは、純粋な無垢な男の子。



それが、大人になるにつれあんな狼に・・・。



シャロルは、美味しそうに食べるジルを後ろから見ながら、そんなことを考えた。




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