ベイビー or ダーリン
ご飯も食べ終わり、お楽しみのデザートも食べ終わった。



今日はこれからどうしよう?



いつもだったら、ジルとお喋りしたり・・・あ!!



シャロルはあることを思いついた。



「ジル!」


「なに?」


「ジルって何か楽器は弾ける?」



青年だった時は、ジルがヴァイオリンを弾き、シャロルがそれに合わせて歌ったりしたものだ。



ジルのヴァイオリンの腕前は相当なもの。



シャロルはジルの弾くヴァイオリンが大好きだった。




ところが・・・



「僕、楽器は嫌いだよ。」


「え?・・・どうして?」



口を尖らしてムスッとしたジル。



小さい時は嫌いだったのかな?



「・・・僕の演奏は、上手くないんだって。」



そう言うと、ダッと走っていってしまった。



「あ、ジル!!」




上手くないって、誰に言われたんだろう?



あんなに、上手なのに・・・・。



ジルが初めてシャロルにヴァイオリンを聞かせたのは、まだ、シャロルとジルが惹かれ合っている段階の時だった。



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