◆少年革命進化論◆
今から2週間前。
まだ桜が咲きかけていた頃。
俺は、この赤毛の少年に出会った。
うちの学校には、やはり他の高校と同じように野球部があって、
ただ他の学校より、ちょっとばかり名前が知れていた。
だから、当然のように入部希望者も多いわけで。
部員数の膨張を避けるために、うちの高校の野球部では
入部テストに受からなければ入部できない規則が作られていた。
小・中学と野球を続けていた俺も、勿論野球部目当てでこの高校に入学していたので、
当然のようにそのテストを受けて。
そして、当然のように受かった。
勉強もスポーツも人並みではあるが、野球にだけは自信があったのだ。
3軍まである中で、いきなり2軍に抜粋されたのも、
当時の1年では俺一人だけだった。
(3軍なんていうのは、ほぼ雑用をやらされているだけで、もはや野球部員なのかマネージャーなのか分からない存在だった。かわいそうすぎる。)
そして入部テストが終わって。
明日から一緒に練習をする2軍の先輩への挨拶が終わり、
次に1軍の先輩の所へ、挨拶をしに向かった。
1軍用の部室のドアをガチャリと開ける。
他の軍の部室よりも明らかに広いその部屋には、1人だけ、
赤毛の少年が立っていた。
「う、わ。びびったぁー。だれ?」
彼はビックリした顔をして、扉のほうに近づいてくる。
「あ、野球部に入部した、隆臣蘿蔔です。」
普通に喋る自分の声に違和感を感じた。
どうやら俺は、緊張しているらしい。
格好悪すぎる。
赤毛の彼は、めずらしー名前ー!と笑いながら、ひょいと手を差し出した。
「ドォモー。ってか1年生デショー、何組?」
「あ、C組です。」
「まじか。となりじゃん!」
俺は、握り返そうと伸ばした手の動きが
ぴたりと止まるのを感じた。
隣って何だ。
何が隣なんだ。
意味が理解できずに、手の動きを止めたままでいる俺を見て、
彼はにっこりと笑った。
「野球部1軍、琢磨御李。ちなみにクラスは1年B組。どぉぞよろしく。」
これが俺と御李の最初の出会いだった。
まだ桜が咲きかけていた頃。
俺は、この赤毛の少年に出会った。
うちの学校には、やはり他の高校と同じように野球部があって、
ただ他の学校より、ちょっとばかり名前が知れていた。
だから、当然のように入部希望者も多いわけで。
部員数の膨張を避けるために、うちの高校の野球部では
入部テストに受からなければ入部できない規則が作られていた。
小・中学と野球を続けていた俺も、勿論野球部目当てでこの高校に入学していたので、
当然のようにそのテストを受けて。
そして、当然のように受かった。
勉強もスポーツも人並みではあるが、野球にだけは自信があったのだ。
3軍まである中で、いきなり2軍に抜粋されたのも、
当時の1年では俺一人だけだった。
(3軍なんていうのは、ほぼ雑用をやらされているだけで、もはや野球部員なのかマネージャーなのか分からない存在だった。かわいそうすぎる。)
そして入部テストが終わって。
明日から一緒に練習をする2軍の先輩への挨拶が終わり、
次に1軍の先輩の所へ、挨拶をしに向かった。
1軍用の部室のドアをガチャリと開ける。
他の軍の部室よりも明らかに広いその部屋には、1人だけ、
赤毛の少年が立っていた。
「う、わ。びびったぁー。だれ?」
彼はビックリした顔をして、扉のほうに近づいてくる。
「あ、野球部に入部した、隆臣蘿蔔です。」
普通に喋る自分の声に違和感を感じた。
どうやら俺は、緊張しているらしい。
格好悪すぎる。
赤毛の彼は、めずらしー名前ー!と笑いながら、ひょいと手を差し出した。
「ドォモー。ってか1年生デショー、何組?」
「あ、C組です。」
「まじか。となりじゃん!」
俺は、握り返そうと伸ばした手の動きが
ぴたりと止まるのを感じた。
隣って何だ。
何が隣なんだ。
意味が理解できずに、手の動きを止めたままでいる俺を見て、
彼はにっこりと笑った。
「野球部1軍、琢磨御李。ちなみにクラスは1年B組。どぉぞよろしく。」
これが俺と御李の最初の出会いだった。