真偽の証明【公開】
いい加減にしてほしい。
奈美いわく、
「亜莉子が折れるのを待ってるんだから、話ぐらい聞いてあげるべき」
らしいけれど、当の私は断じてそんなつもりはない。
こうなった原因は私にもあると理解している。
だけどここまで来てあっさり折れるとか…。
考えただけでも恥ずかしいし、悔しい。
そもそもどうして江坂奏はそんなに私に執着しているんだろう。
他の人なら喜んで了解するのに。
そこまでして私が必要なんだろうか。
私はハッとして、今まで考えていたことを頭の中から消し去った。
いけない、いけない。
せっかく心休まる一時なのに、余計なことを考えてしまった。
気を取り直して、再び雑誌に目を通す。
しかし、一回他のことを真剣に考えた後は、中々内容が頭の中に入ってこない。
ああ、もう。
よし、この雑誌買ちゃおう。
半分も読めていない雑誌の裏を裏返し、値段を確認する。
が、そこにはあまりにも衝撃的な数字が並んでいた。
「よ、4500円!?」
高すぎだろ!
いや、見間違いかもしれない。
もう一度目を凝らして確認する。
そこにはハッキリと書かれていた。
《定価:本体4500円(税別)》
税込じゃないの!?