真偽の証明【公開】



おまけに放課後の、夕日が照らす教室の中に二人きりというまるでドラマのような状態。


こんなロマンチックな状況でドキドキしない女子はいないはず。


例外を除いては。


そう、例外というのはもちろん私こと姫野亜莉子だ。


私にとって彼の認識は「女装すれば可愛いだろうなぁ」という印象だし、誰もがときめくような状況でも、太陽がポカポカして今すぐ寝れそうだなんて考えている。


ほとんど話したこともないのに、ときめきなんていう感情は私にはあり得ない。


しかも、話の内容は「お願い」ときた。

今までの経験から言えば、「お願い」というものは多少面倒くさいものが多い。


面倒くさいことはあまりやりたくないし、ましてや男子からの頼みなんて引き受けたくない。

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