君を愛してない・・・
その日の夜──────・・・・


夕食をルイスと食べたいと思い、断られることを覚悟して、ラウノはエステルの部屋へ向かいました。




ところがどうやら一足遅かったようで、ルイスはちょっと前に自室に戻ったといいます。



「わかった。1日すまなかったな。」

「いいえ、私は楽しかったですもの。」



もう一度礼を言って、エステルの部屋を後にした。






「・・・・・・上手く行くといいけど。」



ラウノの後ろ姿を見て、エステルは呟きました。




───────────・・・・・



部屋に帰ったということは、私と食事をするつもりなんだよな・・・?

許してくれたのか?



色々考えを巡らせながらラウノが自室へ向かっていると──




「キャ――――――――!!!」



廊下に響くルイスの声を聞きラウノは弾かれたように走った。



「ルイスッ!?」



ドアを乱暴に開けると、ルイスは黒い衣服に包まれた者に捕まり、今にも窓から連れ去られそうだった。



「ラ、ラウノ様!!!」


「ルイス!!!」



ラウノは混乱した頭を必死で落ち着けようとしていた。




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