君を愛してない・・・
「ル、ルイス!今助けに」

「ラウノ様!!!お逃げ下さい!!」



え───────────



ルイスは自分が連れ去られそうなことも構わず、ラウノに逃げてほしいと言いました。


ラウノとしては、“逃げて”よりも“助けて”という言葉が聞きたかったのだが・・・



ルイス、私はそんなにも頼りないのか?



ラウノは憤りを感じました。



直ぐ様ベッドのもとに行くと、置いておいた剣を手にしました。




「ラウノ様!?早く」

「ルイス!!お前の夫は誰だ!!」



え──────────?


ルイスは藻掻くのも止め固まってしまいました。



「お前の夫はこの私だ!夫に助けを求めない妻がどこにいる!!」



実は、ラウノが剣術を使えることをルイスは全く知らなかったのです。


ルイスがおとなしくなった隙に敵はルイスは抱き上げました。



「キャッ!?」

「はっ!ルイス!!」



ラウノ様!!!



今朝のことを思い出すと複雑だったが・・・


ルイスは今度は大きな声ではっきりと言いました。



「・・・ラウノ様!助けて!!」



その言葉に弾かれたようにラウノは敵に向かいました。



「キャ―――――――!!!」






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