よっしゃ、恋愛小説を書こう
ケータイ小説を書く側なって、早くも次の日の、昼休み。

あたしは早速暗礁に乗り上げていた。

話が、ぜんぜん進まない。

というか、ヒロインの女の子と男の子を、どうやって接点作ればいいのか、わかんない。

仕方なく、隣の席の啓介に助けを求める。コイツとは幼馴染みだ。

「啓介ぇ~」

「なんだよ」

彼は、野球部だってのに相変わらず今日も夏目漱石を読んでいた。

「……それ、『我輩は猫である』だよね。……何度読んでんの?」

「教えても意味ねーから教えねー。んで、なんだよ?」

「あ、そうだった」

話がヘンな方向にそれるのは、あたしの悪い癖だった。

「あのさあ、ちょっと助けてほしいんだけど」

「だから、なんだよ」

「えええと……」



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