LAND~約束の丘~

中学3年生死亡、自殺か


美沙だった。

・・・え?

・・・なんで?

・・・なんでなの?

ウソでしょ美沙・・・。 

私は轍平のもとへ走った。

「轍平! 
 美沙が・・・。」

「ああ聞いたよ。
 なんでこうなっちゃったかなあ。
 祥太は大丈夫かな・・・。」

その日学校には行かず、祥太の家に向かった。

「祥太、今お前んちの前なんだけど、話せるか?」

轍平が電話をした。

「おお、わざわざ悪い。
 入ってくれ。」

祥太の部屋に入る。

空気はとんでもなく重い。

「美沙がな」

祥太が話し始めた。

「美沙が・・・手紙をくれたんだ。
 今日の朝ポストに入ってた。
 あいつ、自分で俺んちのポスト入れに来てたんだ。
 バカだよなあ。
 俺も美沙も。
 手紙、読んでやってくれよ。」

祥太が手紙を投げる。

轍平と私は読んだ。

手紙によると美沙は妊娠していたらしい。

しかも相手は祥太ではない。

美沙の家にはどうしてもお金がなく、援助交際に手を出してしまった。

そこで、できてしまった。

祥太に合わす顔がない。

だから、死にますと。


祥太が泣いている。 

轍平も泣いている。

私も泣いていた。

美沙はもういない。

「こんなの、なしだろ・・・。」

祥太の言葉が、切なく響いた。
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