youthful days~男女7人青春物語~
永田は値踏みをするようにそれを見つめる。

ハート型の入れ物をした香水だった。

吹き出し口を嗅いでみると、レモンやオレンジのような柑橘系のフルーツの香りがした。

さわやかなルイのイメージにピッタリだと思った。

「いいだろ、決定」

光の手から香水をひったくると、永田はレジへと向かった。

「えっ、待ってください!」

光は永田の後を追った。


時間と言うのは、穏やかなものだと思った。

「美術館、よかったな」

レモン水を口に入れながら、蒲生が言った。
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