youthful days~男女7人青春物語~
莉緒と、唇を重ねていた。

妻がいると言う事実は、いつの間にか自分の中で消えていた。

今はただ、彼女が好き。

触れるだけだったその行為は、すぐに離れた。

蒲生はハッと我に返る。

「ご、ごめん!」

慌てて謝っても、もう手遅れだった。

莉緒は状況がわからないと言う顔で蒲生を見つめている。

蒲生は、自分のしたことを激しく後悔していた。

“最低な教師”――彼女の中で、自分はそんなレッテルを貼られただろう。

莉緒は蒲生から目をそらすようにうつむいた。
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