五里霧中
急な勾配に差し掛かったところで、ついにボクの体の糸が切れた。
「っ!クソッ」
必死に力を入れようとしても、足は全く動かない。
あの男はすぐそばまで迫っていると言うのに……
なんで、なんでなんでなんでなんで!
「なんで邪魔するんだよ!」
鉛のように硬くなっていく両足に拳を落として叫ぶ。
その叫びは慟哭となって周囲の空気を揺さぶった。
なんでみんな邪魔するんだ。
どうしてボクは幸せになれないんだ。