五里霧中
「嫌だッ!!」
ボクを引きずりだした男にしがみついて、足を踏ん張る。
突然の豹変に驚いたのか、男は少し狼狽えたが、ボクの体がすでに動かないということを思い出してすぐにまた引きずりだす。
「放して!誰か、助けて!」
「黙れ、貴様が自分で選んだのだろう。現実を受け止めろ」
サッと顔中の血の気が引く。
また、あの気取った口調だ……
それによって余計にボクの反発は強くなる。
「イヤだイヤだイヤだっ!放してよ!ボクはまだ死にたくない!」
そんな叫びをぶつけても、男の足は止まらない。
このままじゃ本当に……!