五里霧中



初めて会ったときから薄々感じていた。


あの男は、異形だ。


この家に住んでいる間抜けどもはまるで親のように慕っているが、それは大きな間違い。


アイツは親でもなければ兄弟でもない。


そして敵でもなければ、味方でもない……



きっとここで暮らしている人間の中で一番危険な人種だろう。


大体、他の奴等は気付かないのか?


アイツがお前らを助けたとき、躊躇いもなく人を殺していたことの異常さに―――。



< 183 / 351 >

この作品をシェア

pagetop