五里霧中
初めて会ったときから薄々感じていた。
あの男は、異形だ。
この家に住んでいる間抜けどもはまるで親のように慕っているが、それは大きな間違い。
アイツは親でもなければ兄弟でもない。
そして敵でもなければ、味方でもない……
きっとここで暮らしている人間の中で一番危険な人種だろう。
大体、他の奴等は気付かないのか?
アイツがお前らを助けたとき、躊躇いもなく人を殺していたことの異常さに―――。
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