五里霧中



「おか……さ……たすけ……って」


それなのにどうして、こんなに涙が溢れるんだろう。


命の危機に晒されてるから?


それとも心のどこかで母親を信じていたから?



どちらにせよ、私は泣いていた。


そして母親も泣いていた。


「……っおかぁ……さん……ッ」


「死ね……死ね死ね死ね……っあんたなんか、」


お母さんの涙と私の涙が入り混じり、床へと落ちていく。


「死んじゃえぇえぇええぇ!!!」



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