五里霧中
それでもまぁ、明日の朝じゃなくて今伝えたかったってことはアレでしょ。
「行きたいの?夏祭り」
どんぐりの次は夏祭りか。
なんだか順番がおかしい気もするけど、この街のお祭りは秋口だから仕方ない。
しばらく気恥ずかしそうに視線を彷徨わせていたクロだが、チラッと僕を盗み見て小さく頷いた。
「行きたい」
「じゃあ、朝にでもみんなを誘ってみようか」
ていうか僕にも朝に言って欲しかった。
大欠伸をしながら心中で溜息をつく。