五里霧中

さて。


色々あって夕方だ。


言い出しっぺのクロは人一倍楽しげに駆けまわってるし、普段は大人しい双子も祭り独特の興奮した雰囲気に呑まれて頬が紅潮してる。


そんな平和な風景を見つめていても、僕の心の暗雲は一向に晴れない。


一体何なんだ。


季節外れの梅雨でもきてるって言うのか。



バカバカしくなって思考を停止する。


今はただ楽しめばいいんだ。


束の間の休息、もとい束の間の安息を―――。