五里霧中
たそがれるアルファを見つめて、また思考が飛んでいく。
透き通るような茶髪を揺らして項垂れる横顔がどこか儚げに見えた。
くだらない考えを打ち消すように瞼を下ろす。
僕は、彼の過去についてだけはあまり詳しいことを知らない。
なぜ10個も人格があるのか、なぜ凶暴な人格がいるのか、謎は多い。
最初のうちは手探りだった。
実際、今も人格を見分けるのは難しい。
だけどここで見捨てたらあいつ等と同じだ。
慣れてしまえば珍しい感じもしなくなる。
静かに瞳を開いた僕はゆっくりとアルファに背を向け、歩き出した。